ルームシェア
URによる名称は「ハウスシェアリング制度」である。ルームシェアなのかシェアハウスなのかはっきりしない名前になっている。とはいえその実態は明らかに「ルームシェア」である。
まずは公式の案内
対象者
基本的には単身者同士が同居するための制度である。
UR賃貸住宅の場合は、以下のような場合もルームシェアを使うことになる。
- 入居から半年以内に結婚する予定のないカップル
- なお、入居から半年以内に結婚するなら世帯として入居できる
- 同性カップル等
- 世帯としての入居は今のところできない(パートナーシップ制度などは使えない)
ただし、いずれの例でも、子供がいる場合はこの制度を使って入居することはできない。
ルームシェア可能な物件
UR賃貸住宅ではほとんどの物件がルームシェア可能となっている。
少なくとも 追加の入居条件がある物件 や その他注意が必要な物件 に該当しない物件であれば、全てルームシェア契約が可能だ。おそらく日本で最もルームシェアしやすい住宅である。
入居資格
ルームシェアでも収入要件が一番の問題となる。下記のどちらかが必要となる。
例えば一人だけ収入が少ないからといって、その人だけ「貯蓄基準制度」を使うといったことはできない。また、家賃等の一時払い制度もルームシェアでは使用できない。
これは一見不可解に見えるが、意図的に設けられた制限のようだ。
↑の詳細
UR賃貸住宅の募集・入居に係る新制度の実施について には次のような記述がある。
ハウスシェアリング制度について
(中略)
単身者同士が友人と互いに協力し共同で生活したいという単身高齢者等の居住ニーズに応え、同居者のある潤いのある暮らしや緊急時の助け合い、家賃負担の軽減による比較的家賃が高額な都心の住宅への入居等の実現を図ります。
例
- 高齢単身者同士がお互い助け合って一緒に暮らし、楽しい老後を過ごす
- 気の合う若者同士が家賃を折半しながら憧れの都会生活を送る 等
つまり、経済的な立場が異なる人同士の入居には利用しにくいようになっているわけだ。
なお、収入要件については「満18歳以上の学生」のみ特例が用意されている。詳細は公開されていないため問い合わせが必要だ。
人数と間取りの制限
URのサイト内でも場所によって表現が異なっていたり、言外のニュアンスを匂わせてきたりするが、要するに下記の通りである。
- 2人の場合は間取りの制限はない。
- 3人以上の場合は人数分の居室が必要になる。居室が余るのはOK。
- 3人なら3K以上、4人なら4K以上…の物件を選ぶ必要がある。
- 一部の物件には「多目的室(S)」などが存在するが、これらは居室数には含まれない。
家賃の支払い
支払いは契約時に指定した一人の口座からの引き落としとなる。精算は入居者間で行う必要がある。
退去するときの注意
一部の入居者が退去することはいつでも可能である。これによってに明らかに家賃が払えない状況になるとしても、それが問われることはない。
一方で入居者を追加したり、誰かが退去して代わりに別の人が入居したりすることはできない。
これは消防法上の問題を回避するためのようだ。
参考: UR賃貸住宅における多様なニーズへの対応事例